インスタのビジネスアカウントで音楽が使えない理由|会社・お店が使える音源3つ

お店や会社のInstagramで、リールやストーリーズに曲を付けようとしたら、使いたい曲が出てこない。投稿した動画の音が、いつの間にか消えている。そんな経験はないでしょうか。

先にお伝えすると、Instagramに入っている人気の曲は、個人が商用ではない目的で使うためのものです。お店や会社の宣伝には、別の音源を使う必要があります。アプリの不具合ではなく、Instagramがそう決めているためです。

私は企業やお店の動画を制作していて、納品する動画のBGMは、ほとんどの場合、商用で使えるフリー素材から自分で選んでいます。この記事では、音楽が使えない理由をMetaの公式ヘルプをもとに整理し、会社やお店が使える音源を3つ紹介します。

※ この記事の内容は、Metaのヘルプセンター、Sunoの利用規約(2026年9月3日発効)、各素材サイトの利用規約を、2026年10月時点で確認したものです。規約は変わることがあるので、使う前に最新の公式ページを確認してください。

ビジネスアカウントで音楽が使えない理由

Instagramで選べる曲の多くは、Metaがレコード会社などの権利を持つ人と契約して提供しているものです。Metaはこれを「ライセンス音楽ライブラリ」と呼んでいます。

Metaのビジネスヘルプセンターには、次のように書かれています。

Metaのライブラリで利用可能な音楽は、個人的な非商用利用を目的としています。

ライセンスライブラリの音楽が商用で使われないようにするため、特定のビジネスアカウントと特定の種類の投稿ではライブラリが利用できないようになっています。

つまり、ビジネスアカウントで曲が出てこないのは、商用で使われないように、Instagramがあえて制限しているからです。同じページには、国や地域によって使えない場合があることも書かれています。

投稿した動画の音が消されたとき

投稿のあとで音が消される(ミュートされる)こともあります。Instagramのヘルプセンターでは、原因として次の3つが挙げられています。

  • ライセンス音楽ライブラリを利用できない
  • 権利を持つ人とMetaの契約が変更された
  • 権利を持つ人が、そのコンテンツをブロックした

以前は使えていた曲が、ある日から使えなくなることがあるのは、このためです。

アカウントの種類やカテゴリを変えれば解決するか

「カテゴリを変えると曲が出てくる」「クリエイターアカウントに切り替えるとよい」という方法が紹介されていることがあります。

設定を変えると、選べる曲が増えることはあるかもしれません。ただし、曲を選べることと、お店や会社の宣伝に使ってよいことは別です。

Metaの音楽ガイドライン(2024年3月26日発効)には、次のように書かれています。

特に、営利目的での音楽の使用または私的利用を超えた音楽の使用は、利用者が適切なライセンスを取得している場合を除き、禁止されます。

アカウントの設定を変えても、投稿の中身が商品やサービスの宣伝であることは変わりません。お店や会社の投稿では、最初から商用で使える音源を選ぶほうが安心です。

会社・お店が使える音源は3つ

音源商用での利用使える場所向いている場面
Instagramのサウンドコレクション使える(Metaのヘルプに記載)Instagramのリール・ストーリーズInstagramだけに投稿する動画
フリー素材・購入した音源素材ごとの規約による規約の範囲で、SNS・ホームページなど複数のSNSやホームページで使い回す動画
AIで作った曲サービスとプランによる規約の範囲で動画の雰囲気に合わせて曲を用意したいとき

1. Instagramのサウンドコレクション

ライセンス音楽ライブラリが使えないアカウントのために、Metaは「サウンドコレクション」という別の音源を用意しています。Metaのビジネスヘルプセンターの説明は次のとおりです。

サウンドコレクションには著作権使用料が完全無料の14,000曲以上が収録されており、こうした曲やサウンドはリールやInstagramストーリーズで安心して使用できます。サウンドコレクションのコンテンツは、広告のような商業目的でも使用できます。

使い方も同じページに書かれています。ストーリーズでは上にスワイプして「ミュージックスタンプ」を選び、リールではカメラの「音源」のアイコンをタップします。

注意したいのは、投稿するときにアプリの中で選ぶ音源だという点です。動画のファイルそのものに音楽が入るわけではないので、同じ動画をTikTokやホームページに載せても、その曲は付いてきません。

2. フリー素材・購入した音源

複数のSNSやホームページで同じ動画を使うなら、動画を編集する段階でBGMを入れておくのが確実です。私が納品する動画でも、この方法がいちばん多くなっています。

私が使っているサイトの1つがBGMerです。BGMerの利用規約には、次のように書かれています。

  • 個人利用・商用利用ともにOK。利用できるかどうかの問い合わせも不要
  • クレジット表記は任意
  • 曲を自分の作品だと偽ること、許可なく販売・配信リリースすること、YouTubeのContent IDや著作権管理団体などに登録することは禁止

もう1つ使っているのがOpenTracksです(2026年9月にDOVA-SYNDROMEから名前が変わりました)。OpenTracksの音源利用ライセンスでは、次のように決められています。

  • 商用・非商用、個人・法人を問わず、動画の背景音楽として使える。利用料はかからない
  • 著作権表示・提供の表示は不要
  • 曲だけを配布・販売すること、作業用BGMのように曲そのものが主役の動画にすること、JASRACなどの管理団体やYouTubeのContent IDに登録することは禁止
  • 作曲者が別に利用条件を決めている場合は、そちらが優先される

OpenTracksは作曲者ごとに条件が足されていることがあるので、使う曲のページで、作曲者の利用条件も見ておくと安心です。

フリー素材は、サイトごとに規約が違います。商用で使えるか、使える場所に制限がないか、クレジット表記が必要かの3つは、使う前に必ず確認します。選び方は、CapCutの商用利用はどこまでOK?の「商用で使えるBGM・素材の探し方」にまとめています。

3. AIで作った曲

フリー素材を探しても、思いどおりの曲が見つからないことがあります。そういうときの選択肢の1つが、AIで曲を作ることです。私はSunoの有料プランを使っています。

AIの曲で気をつけたいのは、プランによって商用で使えるかどうかが変わることです。Sunoの利用規約(2026年9月3日発効)では、次のように決められています。

  • 無料プランで作った曲は、個人的な、商用ではない目的にしか使えない
  • 有料プラン(Pro・Premier)では、曲の権利が利用者に譲渡される
  • ただし、商用で使えるのは決められた方法でダウンロードした曲だけ。1か月にダウンロードできる数はプランごとに決まっていて、アカウントの画面で確認できる
  • ダウンロードした曲を商用で使う権利は、解約やプランの変更のあとも続く
  • 録音など、ダウンロード以外の方法で曲を手に入れることは禁止

もう1つ知っておきたいのは、権利の扱いがまだ固まっていない点です。Sunoの利用規約にも、作られた曲に著作権が発生することは保証しない、という内容が書かれています。

法律の面では、文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)が参考になります。ポイントは次の2つです。

  • AIで作った曲でも、既存の曲と似ていて、その曲をもとにしたと認められれば、著作権侵害になりうる。考え方は、人がAIを使わずに作る場合と同じ
  • AIへの指示が、具体的な表現に至らないアイデアにとどまる場合は、できた曲に著作権が認められないと考えられる

つまり、規約どおりに有料プランでダウンロードした曲でも、既存の曲に似てしまった場合の責任は使う側にあります。実在するアーティスト名や曲名を指示に入れない、できた曲が有名な曲に似ていないか耳で確かめる、といった点には気をつけたいところです。

お客様に納品する動画でAIの曲を使うときは、AIで作った曲であることを先に伝えておくと安心です。

動画を作る側は、BGMをどう選んでいるか

私の場合、納品する動画のBGMは、ほとんど自分で設定しています。使うのは、商用で使えるフリー素材です。動画に音楽が入った状態でお渡しするので、Instagramでも、ほかのSNSでも、ホームページでも、そのまま使えます。

お客様がご自身のアカウントから投稿する場合は、BGMをどうするかを、作る前にうかがいます。投稿するときにInstagramの中で音源を選びたい、というご希望があれば、それに合わせてお渡しの形を決めます。その場合は、ここまでに書いたとおり、サウンドコレクションから選ぶのが安心です。

どの音源にするかは、「どこに投稿するか」で決まります。Instagramだけなのか、ほかのSNSやホームページでも使うのか。依頼するときにここを伝えておくと、あとから音楽を差し替える手間がかかりません。

よくある質問

個人アカウントに切り替えれば、人気の曲を使ってもいいですか?

おすすめしません。Metaのヘルプでは、ライセンス音楽ライブラリの音楽は個人的な非商用利用を目的としている、とされています。アカウントの種類を変えても、お店や会社の宣伝であることは変わりません。

フリー素材のBGMなら、何でも使えますか?

サイトごとに規約が違います。「フリー」と書かれていても、商用は不可、または連絡が必要という素材もあります。使う前に、そのサイトの利用規約を読んでください。

AIで作った曲は、無料プランでも宣伝に使えますか?

Sunoの場合、無料プランで作った曲は、個人的な、商用ではない目的にしか使えません(2026年9月3日発効の利用規約)。ほかのサービスは規約が違うので、使うサービスの利用規約を確認してください。

制作を依頼した動画のBGMを、お店のSNSやホームページで使っても大丈夫ですか?

使われている音源の規約によります。たとえば、OpenTracksの音源利用ライセンスでは、商用・非商用、個人・法人を問わず、あらゆる制作物の背景音楽として使えるとされています。BGMerの利用規約も、用途を問わず商用で使えるとしています(どちらも2026年10月時点)。納品のときに、どの音源を使ったかを聞いておくと安心です。

まとめ

  • Instagramに入っている人気の曲は、個人的な非商用利用が目的。お店や会社の宣伝には使えない
  • ビジネスアカウントで曲が出てこないのは、商用で使われないようにするための制限
  • アカウントの種類やカテゴリを変えても、商用で使ってよいことにはならない
  • 会社・お店が使える音源は、サウンドコレクション、フリー素材・購入した音源、AIで作った曲の3つ
  • 複数のSNSやホームページで使うなら、編集の段階で商用可のBGMを入れておく
  • AIで作った曲は、プランとダウンロードの条件を確認する

「音源まで自分で確認するのは大変」という場合は、制作を任せるのも1つの方法です。依頼する場合の相場や流れは、ショート動画編集の相場はいくら?にまとめています。制作のご相談は、お問い合わせからどうぞ。

参考資料

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